第四回「劇場のみどころ(大人向け)」

1. 美しい天井
ピロティの真ん中で天井を見上げてみませんか。

大人になるとなかなか上を見ることが無くなるようです。
客席に向かう前に1度 天井を見上げてみませんか。
アルミと石膏で作られたモザイク天井のデザインは、4本柱それぞれ模様が異なります。光の中に浮かび上がるモチーフの中には花のようなデザインもあり、女性の大好きな「可愛い」が隠されています。開演時間までゆっくりとご自分のお気に入りを見つけてみてはいかがですか♪


2. 蝶々椅子
華奢な脚に紅白の丸椅子は背もたれの形が蝶々のよう。

M2階とグランドサークル(中2階)にある丸椅子は背の部分のデザインが蝶々のような形なので「蝶々椅子」と呼ばれています。 昭和38年当時の日本人の体形を思うと座面が少し高いように感じますが、イブニングドレスで浅く腰掛けるにはちょうど良かったのでしょうか。


3. 遠近法で広く見えるピロティ
限られた敷地面積をより広く見せるための工夫があります-①

M2階で「立つ少女の像」を背にしてピロティの6本の柱を見ると、手前から柱が徐々に低くなっていくのがわかります。正面のガラスモザイクと床に広がる大理石模様も相まって、実際よりも広く感じられるようにデザインされています。


4. 遠近法で広く見える客席
限られた敷地面積をより広く見せるための工夫があります-②

客席の扉サイズは1階席前方の扉が1番大きく、上の階へ行くほど小さく作られています。実際の奥行きサイズより客席が広く感じられるように作られていますので、その感覚のまま客席2階の後方から舞台を見ると、思っていたよりも舞台が近く感じられると思います。


5. 客席1階ロビー螺旋階段にある南部鉄の支柱
楕円形の支柱は見る角度によって印象が変わります。

鉄瓶で有名な南部鉄で作られた頑丈な支柱は楕円形に作られています。
支柱を中心にして少しずつ目線を移動していきますと細くなったり太くなったり見る場所によって印象が変わります。
楕円形なのは螺旋階段の構造上、揺れ方向の計算によるものだそうですが、立派にオブジェとしての役割もはたしています。


6. 螺旋階段の後ろ姿
村野藤吾のこだわり~螺旋階段の美しい後ろ姿

設計者:村野藤吾が最もこだわったのは螺旋階段の後ろ姿でした。
あたかも1枚の布で作られたかのように つなぎ目の無い美しい後ろ姿を目指したそうです。
実際に作業に携わった関係者によりますと、鉄板の継ぎ目に必ず出来る溶接だまりが残ることは絶対に許されなかったそうです。
村野藤吾は現場主義で常に作業を確認していたそうで「おかげで気が抜けなかった」と当時の作業に携わった方が話していました。