に借りてまわり無い場合は、長編のオペラのスコア等からパート譜を全て手作業で写譜していた。
演奏上の指定、譜めくりの箇所への気配り、移調などを含め、コピー機もパソコンもない時代には、
大変な労力、根気そして熟練の技が必要とされた。
また原版を読み解くためドイツ語、イタリア語、フランス語、英語、ロシア語を学んだ。
読売日本交響楽団を退団後は、フリーとして各オーケストラや日本テレビ番組「だんいくまポップスコン
サート」、「私の音楽会」からの依頼を受けライブラリアンを務め近衞秀麿氏や團伊玖磨氏をはじめ多くの
作曲家のオーケストラ・パート譜の作成を行った。その緻密な仕事ぶりで、指揮者や演奏家が安心して
演奏に専念できる環境を整え、永年ライブラリアンとして日本のオーケストラの活動を裏から支えてきた。
読売日本交響楽団では現在でも龍前氏が写譜した楽譜を使用し続けている。 |