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オペラ『ルチア』日生劇場芸術参与 粟國 淳メッセージ

NISSAY OPERA 2020 特別編 オペラ
『ルチア~あるいはある花嫁の悲劇~』

日生劇場芸術参与 粟國 淳メッセージ

<演出・翻案 田尾下 哲インタビューはこちら>

■いま、日生劇場が特別編『ルチア』を上演する意義、目指すもの
コロナ禍で、舞台芸術と劇場の置かれた状況も変わってしまいましたが、厳しい時にこそ、人は新しい音楽や芸術を生み出してきたともいえるので、日生劇場も止まっていられません。舞台上の演者と客席のお客様とが一体となる瞬間を少しでも多くつくることに、劇場としてこの『ルチア』を上演する意味があるのではないかと思います。今後のコロナとの向き合い方は、色々な観点から考えていかなければいけませんが、単に制限をつけて何も出来ないでは、芸術の歩みは止まってしまいますので、新しいモチベーションと発想で、「作品」としてお客様が見て納得できるものを、演出家たちとともに、劇場もつくっていくことが目標と考えています。

日生劇場は「オペラハウス」ではないので、「オペラはこうあるべき」というよりも、お客様に何を提供すれば楽しんでもらえるかの方が重要だと考えています。この『ルチア』も違う観点からオペラを観るきっかけとなる作品、よりオペラの面白さが引き立てられる作品になるのではないでしょうか。そういう作品をつくることができるのは、様々なジャンルの作品を生み出している日生劇場だからこそ。今回は、田尾下さんと柴田さんのタッグで、ルチアのポテンシャルを一歩踏み込んで伝えられるということで、コロナ禍でなくてもこういう作品のつくり方があるということをお示しできればと思います。

 

■お客様へ
今回の「ルチア」は、これまでとは違った角度から作品の本質に迫るつくり方になると思います。田尾下さんと柴田さんたちのチャレンジは、台本も音楽も決まっているオペラで、よりルチアにフォーカスして、一つの「作品」として成立させるというもので、このエネルギーは途轍もないものです。この作品の後に、通常のオペラの表現を観ると、より一層オペラの魅力を感じていただけるのではないでしょうか。ひとつだけ確実に言えるのは、田尾下さんも柴田さんも、ドニゼッティの音楽の本質、オペラの本質というものを絶対に裏切らないということです。彼らと日生劇場が目指す作品をぜひ観に来てほしいと思います。

 

♪公演特設ページ:
https://opera.nissaytheatre.or.jp/info/2020_info/lucia/

 

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