ニッセイ・バックステージ賞

ニッセイ・バックステージ賞とは
舞台芸術を裏から支え、優れた業績を挙げておられる舞台技術者、いわゆる「裏方さん」たちを顕彰する賞です。
華やかな舞台の裏側で舞台づくりに不可欠な仕事をされている方に光をあて、そのご労苦に報いるとともに、後継者の人材育成のための一助になればという願いのもと1995年に創設しました。
裏方さんが主役 〜華やかな舞台を支える「裏方さん」を顕彰〜
「舞台芸術は総合芸術である」と言われ、数多くの分野の人材、あるいは才能の結集によって制作、上演されております。
表舞台に立つ、作者、演出家、俳優といった方々は脚光を浴びる機会が多い反面、「舞台を支える=『裏方さん』」は、ともすれば注目されることもなく評価を得難いのが現状です。
当財団では、これら舞台を支える「裏方さん」たちにスポットを当てることにより、華やかな舞台の裏側で、舞台づくりに不可欠な仕事の数々をご紹介してまいりました。
1995年に創設以来、これまで大道具、小道具、衣裳、照明、音響、歌舞伎床山、舞台監督、ピアノ調律、ライブラリアン等様々な分野において、永年に亘って舞台づくりに貢献されてこられた素晴らしい方々が受賞されています。






第28回「ニッセイ・バックステージ賞」贈賞式
第28回
「ニッセイ・バックステージ賞」受賞者※年齢順・敬称略


劇場運営
演劇プロデューサー
フタムラ
二村
トシユキ
利之
劇場運営・演劇プロデューサー
1945年名古屋市生まれ。名古屋タイムズ社文化部記者を経て、1972年に七ツ寺共同スタジオを名古屋市中区に創設。「自由な、開かれた表現活動の場」を目指し、演劇を中心に、舞踏・映像・音楽等様々なジャンルの公演を同スタジオにて上演。流山児祥やつかこうへい、山崎哲等国内の著名な劇作家・演出家の公演を招聘し、前衛的な活動を紹介するとともに、数多くのプロデュース公演を手掛け、若手表現者を発掘・育成し活躍の場を提供してきた。代表的な公演・企画に澁澤龍彦の遺作を舞台化した野外劇「高丘親王航海記」(1992年/脚色・演出 天野天街)や国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」(現 国際芸術祭「あいち」)にて“ 舞台芸術と美術の出会い”をテーマに劇場空間を活用した「往還演劇と美術との出会いのためのインスタレーションと上演」(2010年)等がある。また、同スタジオの記念誌として発刊した、「空間の祝杯―七ツ寺共同スタジオとその同時代史―」(25周年誌・1999年)、「空間の祝杯Ⅱ―連動する表現活動の軌跡―」(40周年誌・2014年)は日本のアングラ演劇、サブカルシーンを俯瞰する同時代史となっている。現在も同スタジオ顧問として劇場運営を支える傍ら、沖縄の作家 崎山多美の原作を朗読劇としてプロデュースする等、精力的に活動、ながきに亘り地域の演劇文化を裏から支え、芸術文化の振興に多大な貢献を果たしている。


コレペティトゥア
オオフジ
大藤
レイコ
玲子
コレペティトゥア
1953年東京都生まれ。日本オペラ協会(現 日本オペラ振興会)、藤原歌劇団、東京オペラプロデュース等でコレペティトゥアとしてのキャリアをスタート。1979年より二期会オペラ振興会(現 東京二期会)にて音楽スタッフとして、現在に至るまで 40年以上に亘り活躍。オペラ歌手への個人稽古や音楽表現を含めた助言に加え、指揮者・演出家への橋渡し役として、オペラ公演の成功を裏から支えている。1985 年には文化庁在外派遣研修員としてベルリンに留学し、レースナー教授のもとオペラ、ドイツリートの伴奏法を学び、1995年には在外派遣特別研修員としてミュンヘンに留学、リヒャルト・トリンボルンのもとワーグナーの伴奏について研鑽を積む。また、1997年より新国立劇場にて音楽スタッフとして、同劇場開場記念公演「ローエングリン」や「ニーベルングの指環」等数多くのオペラ公演に参加する中で、海外の著名な指揮者との仕事を通じコレペティトゥアとしての経験を深めた。その仕事ぶりは国内外の多くの指揮者から絶大な信頼を得ている。特に、日本を代表する指揮者 若杉弘より高い評価を得、同氏が指揮する多くの公演に参加した。さらに、昭和音楽大学や東京藝術大学、文化庁オペラ研修所での講師を経て、現在は新国立劇場オペラ研修所にて講師を務める傍ら、国際コンクールの公式伴奏者としても活動する等、若い才能の育成を通じ、日本オペラ界の発展に尽力している。