ニッセイ・バックステージ賞
 
          ニッセイ・バックステージ賞とは
              舞台芸術を裏から支え、優れた業績を挙げておられる舞台技術者、いわゆる「裏方さん」たちを顕彰する賞です。
              華やかな舞台の裏側で舞台づくりに不可欠な仕事をされている方に光をあて、そのご労苦に報いるとともに、後継者の人材育成のための一助になればという願いのもと1995年に創設しました。
            
裏方さんが主役 〜華やかな舞台を支える「裏方さん」を顕彰〜
            「舞台芸術は総合芸術である」と言われ、数多くの分野の人材、あるいは才能の結集によって制作、上演されております。
            表舞台に立つ、作者、演出家、俳優といった方々は脚光を浴びる機会が多い一方、「舞台を支える=『裏方さん』」は、ともすれば注目されることもなく評価を得難いのが現状です。
当財団では、これら舞台を支える「裏方さん」たちにスポットを当てることにより、華やかな舞台の裏側で、舞台づくりに不可欠な仕事の数々をご紹介してまいりました。
1995年に創設以来、これまで大道具、小道具、衣裳、照明、音響、歌舞伎床山、舞台監督、ピアノ調律、ライブラリアン等様々な分野において、永年に亘って舞台づくりに貢献されてこられた素晴らしい方々が受賞されています。
          
第31回
「ニッセイ・バックステージ賞」受賞者※敬称略
           
               
                衣裳着付け
ナカムラ
中村
ヨウイチ
洋一
衣裳着付け
1950年東京都生まれ。1970年に東京衣裳(株)に入社。テアトル・エコーの『表裏源内蛙合戦』から衣裳着付けの現場に入る。1971年京都南座での『華岡青洲の妻』以降、文学座を中心に活動し、1972年太地喜和子主演の『飢餓海峡』で全国公演に初参加。
1974年の『天守物語・十三夜』公演をきっかけに、杉村春子氏の着付けを専属で受け持ち、絶大な信頼を得る。物語のキャラクターに加え、ライティングなども意識した着付けにより、『女の一生』『ふるあめりかに袖はぬらさじ』『怪談牡丹燈籠』などの作品作りに貢献。
現場主義に徹して磨いた技術・技法に加え、時代考証を的確に踏まえた着付けが多くの団体から評価、支持され、こまつ座での『人間合格』『雪やこんこん』、兵庫県立ピッコロ劇団での『劇場版 日本三文オペラ』『天保十二年のシェイクスピア』など数多くの作品に携わった。
2021年にフリーとなってからは、こまつ座の地方公演への同行や、大阪芸術大学主催の学外公演『真田風雲録』への参加など、広く後進指導に尽力している。
 
               
                舞台美術背景
マツモト
松本
クニヒコ
邦彦
舞台美術背景
1959年栃木県生まれ。1979年日本工学院美術科卒業、(株)俳優座劇場を経て、独立し、日本テレビでTV美術背景製作に従事。1989年に(有)美術工房拓人を設立後、1991年のNHK モーツァルトイヤー・オペラ『魔笛』(石井みつる美術)が転機となり、舞台美術背景を中心に活動。1993年『テレーズ・ラカン』以降、TPT(Theatre Project Tokyo)のほぼ全ての作品に携わり、感性を磨く。
その後も、『オイディプス王』(蜷川幸雄演出、中越司美術)、『ピッチフォークディズニー』(白井晃演出、松井るみ舞台美術)、『兵士の物語』(串田和美演出・美術)など、ジャンルを問わず、幅広い舞台美術背景製作に関わり、作品の成功に大きく貢献。
また、演出家デヴィッド・ルヴォーをはじめ、海外の美術家からも厚い信頼を得ており、サイモン・マクバーニー『春琴』、インバル・ピント&アブシャロム・ポラック『100万回生きたねこ』といった多数の作品を手掛ける。
2025年には東京二期会『カルメン』(イリーナ・ブルック演出・衣裳、レスリー・トラバース美術)に取り組むなど、美術家の要望に応えるため、日々、新たな技術・素材を用いた舞台美術背景製作の道を探究している。
 
                 
               
                 
                 
                 
                 
                 
                 
                 
                 
              第30回「ニッセイ・バックステージ賞」贈賞式 (第31回贈賞式の写真は近日公開いたします)





